不動産取引 重要事項説明書 書き方 目的

不動産取引における重要事項説明書の書き方と目的とは?

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不動産取引における重要事項説明書の書き方と目的とはどのようなことでしょうか?

 

重説の主たる目的というのは「不動産の買主にとって最低限、重要と考えられることを
知って頂く」ことであり、その意図は「買主を不測な状態に陥らせることなく、不利益を
被らせないこと」にあるのです。

 

これを受け宅建業法第35条で説明が義務付けられている
「1.対象となる宅地又は建物に直接関係する事項」
「U、取引条件に関する事項」
「V、その他の事項」の3つと、

 

媒介契約に基づく1)購入の意思決定に関係する項目、2)取引の目的に関係する項目、
3)お金に関係する項目、4)暇疵に関係する項目の4つ、合計7つの項目に関しては
記載しなければならないと言えます。

 

載せる詳細については理解できたとして、だとすれば詳細にその内容を「どういった具合に
どのあたりまで」書き入れていくとベストなのでしょうか。
私は駆け出しの時分、立ち止まることが何度となくあったのです。

 

それゆえに、国土交通省が通知通達する指針やトラブル集、裁判所の判例を目を通していき、
自分ならではの解決法を得ました。

 

「現況」「根拠」を「平明さ」で記載していく。
これこそがその結論でございます。

 

どうしてかといえば「現況」と「根拠」で買主に判断材料を提供して、その上「平明さ」で
買主の勘違いを阻止するためです。

 

裁判所の判例を見ると、裁判所はこの3点を把握していれば、宅建業者の責任は
全うしていると考えていると言われています。
「現況」とは「現時点の実態と調査結果」を書くことです。

 

チェックしても確認しにくい点は「調査をした結果は不明である」と記します。
経験の浅い人は、不明と示した場合調査をサボったイメージに見舞われてしまうので、
憶測を書いてしまうか、全く記入しないかどちらかを選択しがちだけれど、それは買主に
ピント外れの判断を招いてしまうためやってはいけません。

 

調査をしても不明瞭であるのは不明で良いんです。
取引の目的に適した専門外の事柄であっても、専門家の調査をしなかったときには、
「〜については〜(専門家)の調査を入れなかったため詳細が不明」とその事実を
記載することで大丈夫です。

 

重説を上手にやる第2のポイントである「根拠」については、記載内容がどういった
調査及び資料に基づいたものであるのかをしっかりと書くことが大切です。

 

例をあげると、道路の幅で建築の容積率のカギを握るのは、
1)建築基準法上の幅員と、2)現況の幅員の2つだけですが、道路幅と言われるものは、
他に3)道路管理上の認定幅員、4)所有権界の道路幅員と2つも存在します。

 

それに伴って、重要事項説明に認定幅員の数字を用いたのだとしたら「認定幅員である」と明記し、
他の3つと混同することがないようにしておきます。

 

仮に、認定幅員の道路幅をそのように明示しないで書き、建築基準法上の幅員が認定幅員と
比べて狭く建築の容積率が低くなってしまったのであれば、買主に不適切な判断を負わせたと
され宅建業者の責任となるため留意します。

 

買主の目的に沿った根拠をもって数字を使った方がいいです。
重説で成果を得る3つめのポイントは「平明さ」ということです。
「〜だから〜である」と、買主に理解しやすくキチンと結論に及ぶまで記載します。

 

「だから一体何のことですか」と言われないように、買主からすればどのような影響が
もたらされるかまで書くことが重要になります。

 

重説では、「現況」「根拠」「平明さ」という3点を把握していれば、買主に不適切な判断を
負わせたとされることはありません。

 

1.建築基準法上の道路幅員建築基準法上、認められる道路の幅員。
   建築指導課で該当の有無などの確認が取れる。
主に消防車や救急車が通ろことができるかといった、防災上の避難経路として考えている。

 

2.現況道路幅員実際に現地において計測を行った道路の幅員。
側溝が備わっている場合は側溝の外側から反対側の側溝外側までが幅員となります。
私道のケースでは、建築基準法上の幅員は現況幅員とする傾向が見られる。

 

3.認定道路幅員行政が把握し管理をしている道路(公道)の幅員。
道路課などでチェックすることができる。
公道は不特定多数の往来に貢献することが前提であるから行き止まりとなる道路は
公道とは違う可能性が大である。

 

4.所有権界の道路幅員
パッと見は一つの道路に映っても公道、私道など異なる種別の道路が混じっているケースがある。
その境までの道路の幅員。登記簿謄本や公図を活用して調査できる。

 

【重要事項説明書の目的、内容、書き方】

 

目的

 

「不動産の買主に最低限、重要と考えられることを把握してもらう」ことで「不測な事態に陥らせ、
不利益を被らせないこと」

 

内容

 

宅地建物取引業法第35条による事項 1)対象となる宅地又は建物に直接関係する事項
2)取引条件に関する事項 3)その他の事項 それ以外で重要と該当する事項
4)購入の意思決定に関係する事項 5)取引の目的に関係する事項 6)お金に関係する事項
7)暇疵に関係する事項

 

書き方

 

「現況」「根拠」「平明さ」を念頭において書く。
重説は1)取引目的の確認→2)調査および資料収集→3)取引条件の整理→4)重説の作成という順で
展開しますが、説明する側にとって何よりも気にかかることが、参考にする資料の有効期限です。

 

判例(東京地裁昭和59年2月24日)にはこのように提示しています。
「宅建業者が店舗の賃貸借の仲介をするにあたり、1カ月前に受領した登記簿謄本を過信し、
権利関係の再調査をしないため、店舗がすでに第三者の手に渡っているのに気付かず、
物件説明書を作成して賃貸借契約を締結したのは、仲介行為に過失がある」

 

こういった様に、権利変動の気配がする登記簿謄本は1カ月前では古すぎる、としているのです。
これによって思い浮かぶのは、「買主に不利益を被らせる」「常時変化する」可能性のある資料は、
絶えず重説の説明直前に取得するということなのです。

 

裏を返せば、買主への影響が低い、変化も少ない資料についてはある程度古くても大丈夫だと
言ってもいいでしょう。
私自身としては次のことに気を付けて線引きしております。

 

1)重説の登記簿謄本と取引目的に関係する資料 →重説の作成および説明直前(前日もしくは前々日)
に(再)取得
2)その他の資料(公図、建物図面、行政資料など) →媒介契約前後から半年を有効期限として取得
(ただし、内容に変化が見られた場合は再取得します)

 

何度も謄本を入手することは手間がかかりますが、「買主の不利益とならないようにする」重説の重要ポイントと
理解していますので、手間を惜しみません。

 

万一を想定すると、その手間と費用は随分リーズナブルだと言っていいでしょう。

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