不動産 売買契約書 書き方 注意点

不動産の売買契約書の書き方の注意点とは?

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不動産の売買契約書の書き方の注意点とはどのようなことでしょうか?

 

売買契約書を作成する意味は、次に挙げる3点に集約することができます。

 

1)取引条件をまとめること
2)スムーズに手続きができること
3)税務面の面倒なことを解消すること

 

これらのものを把握しておけば当事者間で問題になることはほとんどないと考えます。
その上で宅建業法の第37条に規定されている各条項を順守して、各不動産業者において
使用する契約書式を元に作成するというわけです。

 

ちなみに、売買契約書を書面で取り置くというのは、取引に伴う口約束の“証拠”を
書面といった“形”にして残すためなのです。
どういう事を証拠の一つとして残すかを心がけて作成していきます。

 

第一段階は、取引条件をまとめます。

 

「どこからどこまでを(不動産の特定)」
「いくら位で買い(売買価格)」
「どのようにすれば解除となり(解除条件)」

 

「問題を発見したらどのように責任を負うか(暇疵担保責任)」という4 点を中心に
整理していきます。

 

売買価格は金額を確実に、解除条件は主語であるとか“何がどうなったら解除となるのか”を
把握しておけば、売買当事者や私たちも思い過ごしをすることをせずに、また問題が発生する
こともないのです。

 

[宅建業法第37条で規定されている「売買契約書」に書くべき条項]

 

1当事者の氏名(法人にあっては、その名称)及び住所
2 当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は
 当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
3代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法
4宅地又は建物の引渡しの時期
5 移転登記の申請の時期
6代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに
 当該金銭の授受の時期及び目的
7契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
8損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
9 代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合においては、
 当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
10天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
11当該宅地若しくは建物の暇疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき
 保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容
12当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容

 

問題が発生するとしたら、不動産の特定と暇疵担保責任に関してで、売買当事者の相互間や
私たちとの中で理解の相違があるときだと思います。

 

不動産の特定に関しては、のちのち「あれは売る範囲に含まれていない」に陥ることを回避することを
考慮して、なるべくはっきりと“どこからどこまでが売買対象であるのか”を記載します。

 

暇疵担保責任とは、売買契約などを通して買主へ引き渡された不動産に、引渡しのタイミングでは
売主から明示が得られなかった欠陥や傷といった暇疵(隠れた暇疵といいます)を、売主が買主に
対し負う責任のことです。

 

重要なことは売主からの明示という部分で、逆に明示できていれば隠れた暇疵とはなることがなく、
買主がそこの所を承知しているのであればもちろん責任も起こりません。
暇疵担保責任の保証期間というのは、誰がどういったものを売るかにより違ってくるのです。

 

通常は売主が、
1)個人の取引は3カ月、
2)事業者の取引は1年、
3)不動産業者の取引は2年以上、
4)新築住宅の取引は柱、床など主要構造部のみ10年、
であると言えます。

 

なので、売主と商品によっては売買契約書の契約条項を変えていくことが不可欠となります。
余談ですが、暇疵担保責任は民法上では知ってから1年以内ということに規定されていますが、
先述のような取り決めが見られるケースでは、そちらの内容に重きを置くことになるのです。

 

売買契約書の作成は、売主・買主の双方が契約後にいつの時点までに何をして、
いつまでに何を準備するのか、ひと目でわかる状態に予定が立てられるようにする
というのも目的です。

 

たとえば、買主に住宅ローンの利用が見られる場合は、おおよそ売買契約日から
1カ月半から2カ月程度先を残代金決済日と決めます。

 

多岐にわたる手続きは平日に実施することが多いため、売主・買主双方の仕事の事情
というものを考慮して、可能な限りゆとりのあるスケジュールを売買契約書上で決めます。

 

やたらとタイトな日程となると、売主・買主いずれもせわしく行動することになるので、
取引にストレスが引き起こされてきて、それが激しくなってくるとトラブルに発展しますので
気を付ける必要があります。

 

スケジューリングのポイントは、住宅ローン特約や買い替え特約など停止条件の
成立する期間をどのように思案するかです。

 

期間を読み誤ると、スケジュールがタイトとなりますし、下手をすると契約が不成立になります。

 

[停止条件下における契約書記載の日付]

 

住宅ローン特約契約日から承認期日までは1カ月前後は空ける
※市中金融機関は申込みから承諾まで一番短くて2週間ですが、書類の収集や手入れ
  といった労力も踏まえて期間を定める

 

買い替え特約契約日から3カ月間は停止条件期間として取る
※買い替え条件が成立するまでだと無期限となるから、 3カ月程度経って不成立の場合は
  契約解除を可能とする。

 

確定測量図交付の特約契約日から決済日までは1カ月半以上取る
※確定測量図の作成には1カ月以上は必要になる。
道路の官民査定が伴う場合は最低2カ月の期間は確保する。

 

売買契約書の目的の3つ目は節税です。

 

これはふだん、居住用の不動産あるいは個人間の売買を行なっていると理解しづらいですが、
法人間や投資用、事業用の売買に携わっている業者にとっては当たり前の知識です。
売買契約書に売買金額の内訳として建物と土地の価格を記入しています。

 

注視すべき点は建物の価格の設定で、建物の価格をどの程度に決めるかで譲渡所得税、
法人税、消費税の出費を切り詰めることが可能だからです。

 

たとえば、売主が課税業者ですと建物価格に消費税がプラスされてきます。
土地には消費税が必要ないので非課税であります。

 

そうしたら保有しているビルを売り払う場合は、なるべく建物価格を下げた方が消費税を
払わずに済み、節税可能になります。

 

では、建物価格は低ければ低いほど効果があるのかと言ったらそうでもなく、建物価格がある
程度設定されていると減価償却の形で節税方法として活用できますので、ひとくちに
低ければ良いというものではないのです。

 

ケースバイケースだと言ってもいいでしょう。
加えて、建物価格の設定には説明が可能な理由が要求されるのです。
中途半端に決めても税務署から否認されると元も子も無いからだと言えます。

 

そういうわけで、実務上は「客観的に見て道理にかなった計算で算出する」か、
「税理士と調整して決める」のいずれかになると思われます。

 

前者の場合は、評価証明書上の建物価格と土地価格の割り合いを売買価格に
乗じて計算する方法か、税務署で提示している建築価額から減価償却計算を
やってはじき出すようにしています。

 

いずれを選んでも、売主・買主いずれもが売買契約時には土地建物それぞれの
価格設定で納得していることが不可欠ですので、事前に売買契約書に書き記した
計算をした内訳を見せて、両者の同意を入手するようにしておくことをおすすめします。

 

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